残りひと月
来月一杯で指示された体のケア期間が完了する。
一年と六ヶ月。
なんとか最後まで続けられそう、既に安全圏となり数ヶ月経過した。
膣があるのは嬉しい。
心の大きな大きな支えになっている。
あれらを乗り越えてきた甲斐があった。
一連の過程では割と淡々とした態度だったように思うし、今も強い感情はないけれど、一年半にもなるというのに、未だ日に何度も、歓喜が沸きあがってくる、こんなにも切望してたんだと思い知らされる。
既に四千人近い人が戸籍の性別変更を終えている。事情により条件を満たせないもっと大勢の人がいる。
私が診断を受けた性同一性障害そのものを疑い続けたが、そんな気持ちも過ぎ去ったように思う。
今は女としてほぼ問題なく暮らせており、障害という感じが希薄だ。
整形や声帯の手術もしたいし、いずれ静かに準備を始めるだろうけれど、ここまでこれて本当に良かった。