違う波に乗り
研究活動を再開しようか。
性同一性障害という概念を知り長いトランス期に入った。
現実逃避なのかと何度も自ら疑い苦しんだ。
過去に確定された事実を並べて、そうじゃないという根拠にして、乗り過ごせないときの時刻表のように何度も確かめたものだった。
テーマは何でもいい、興味を持続できるものであるならという、ウンベルト・エコの言葉を励みに、学生時代のテーマから方向展開したのが契機となり、これまで複数の研究をまとめてきた。
休日は部屋でネットに時間を吸い上げてもらっていた。
掃除と料理が加わり気持ちが落ち着いてきた。
研究を再開することで、無為に過ごす日々に幾らかでも彩りを施せられれば。
今は絵画制作ではなしに、何かテーマに沿った活動がしたい。
調査に出かけて、記録した何かしらから発想を広げていくのは、性に合ってるのだろうな。