生きていくために感謝する
あれは7年ほど前だったか、いつもの10分前後の時間の間、主治医にこぼれるように語った事をついさっき思い出した。
憎しみでも悲しみでもなく、感謝することでしか私は救われません。
自分が授かったこの生を感謝しています。
さらに数年を遡った頃、ナチスの強制収容所に入れられていたフランクルの著書、『夜と霧』を読んだ。
あるユダヤ人女性の言葉を、フランクルが文中引用した事を、少し思い出した。
主治医に語った後、4年後タイで手術を受けた。
タイにはネット環境やPCは持たず、ベッドの上で読んだ唯一の本は、持参したフランクルの著書、『それでも人生にイエスという』だった。
強制収容所にいたユダヤ人たちがつくり、合唱していた歌の歌詞を書名にしたものだと、読み進んで知った。
それでも人生にイエスという。
救済の扉はいつでも開く。
中和する光が天から射し、世界は白銀のように輝き、圧倒的な恵みに泣き崩れる。
同時にそれはたとえようもない悲しみと一つである。
私は自分の運命に感謝していると。