約束の土地 約束の場所
それはないのかもしれない。
言葉が長い間意識に上っていた。
自分には漂流が近い言葉だった。
住居を転々とし、仕事は変わらず、引っ越しも国内のことで、だから平穏なんだろう。
10年振り近くに元の場所に戻りつつある。
10年分古び、休日に少しづつ手直ししている。
これは一体どういうことだろうと考える、メンテナンスを止めることはできない。
この場所からの眺めは好きだ、バッハを聞きながらよく過ごした。
漂流しているならどこにいても遠くだ。
10年の間に持ち物を減らすことを身に着けた。
効果の高い習慣。
一人の世界にあっても歴史は存在する。
時間はこの世の隅々まで支配する振動。
本望だ。